【歯科技工士がなくなる…?】歯科衛生士との違い・技工士不足の影響

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2024.08.28

医療のコラム歯科衛生士学科

【歯科技工士がなくなる…?】歯科衛生士との違い・技工士不足の影響

幅広い年代の患者さまの口の中を、常に健康な状態に保つために、歯科の領域では、さまざまな職種の人たちが関わっています。

その、”さまざまな職種”で活躍する代表的な職種として、【歯科衛生士】・【歯科技工士】・【歯科助手】があります。

各職種の仕事内容や役割について、みなさん違いはわかりますか🦷?

この3つの職種の中でも、厚生労働大臣が認定した【国家資格】を保持しているのは、【歯科衛生士】・【歯科技工士】です。

「歯科技工士」は歯科技工士法、「歯科衛生士」は歯科衛生士法に基づいた国家資格です。
その資格取得について修業年限、単位(時間)数、必修学科科目が明確に規定され、医療人としての業務、地位が保障されています。

しかし、「歯科技工士」をめぐっては、養成校や入学希望者の減少、若手の離職率の高さ・高齢化の進行などの問題が生じている聞くこともあります。

(※厚生労働省「歯科技工士に関する最近の状況等 第7回歯科技工士の養成・確保に関する検討会」より)

近年は3Dプリンターやスキャナーなどをはじめとする新しい技術の登場により、歯科技工士の仕事がなくなるのではにか…という意見も目にするようになりました。

まずは、同じ歯科治療の国家資格をもつ「歯科技工士」と「歯科衛生士」の仕事内容・違いについてご紹介するとともに、歯科技工士の仕事がなくなる可能性について解説、歯科技工士の将来性についても説明していきます!

また、歯科衛生士の人気が上昇傾向であること、求人の多さなども触れていきます

歯科衛生士・歯科技工士に興味がある方、ぜひ参考にしてみてください!

【歯科衛生士】と【歯科技工士】の違い・仕事内容は?

まずは、それぞれの職種についての違い・仕事内容・適性などについて見ていきましょう!

歯 科 衛 生 士歯 科 技 工 士
資 格歯科衛生士法に規定歯科技工士法に規定
資 格 取 得 方 法厚生労働省指定の養成所等を卒業し、国家試験に合格厚生労働省指定の養成所等を卒業し、
国家試験に合格
養 成 所(学校)の 指定厚生労働省厚生労働省
修 業 年 数3年(昼・夜ともに)2年(昼)or 3年(夜)
卒 業 単 位 数93単位62単位
臨 床 実 習20単位なし
教 育 内 容歯科衛生士学校養成所
指定規則による
歯科技工士学校養成所指定規則による
業 務 内 容①歯科診療補助 
②歯科予防処置 
③歯科保健指導
歯科医療に用いる①補綴物・充填物・矯正装置の製作、周知、加工
適 性●清潔感
●コミュニケーション力
●細やかさ
●手先の器用さ
●集中力
●立体把握力

そもそも、『歯科技工士』って…?

みなさん、耳にしたことがあるかもしれない「歯科技工士」―。
どんな仕事を行うのか、ご存知でしょうか🦷?

『歯科技工士』は、欠けたり失ったりしてしまった歯を作る仕事です(技工物)。
他にも、詰め物・矯正装置を製作し、修理・加工を行う仕事です。

口の中は、非常に精密であるため、繊細な技術力が必要となります。
実は、日本の歯科技工士技術は、世界でも非常に高く評価されているんです!!

また、近年ではスポーツ選手における競技中のケガ防止のための、マウスガードを作ることも歯科技工士の仕事となっています。

こういったことから、どのような適性をもつ方が、歯科技工士に向いているのかというと、上記でも述べたように、小さな技工物を作成するため、細やかな作業が求められます。
コツコツと細かい作業を集中して行うことが非常に多いので、集中して作業を行う時間が多くなります。
そのため、手先が器用で集中力をもつ適性の方は、歯科技工士に向いていえるといえます。

歯科衛生士ってどんな仕事…?

生涯を通して活躍できる国家資格を保持している「歯科衛生士」―。
歯科衛生士は、患者様に対して【歯科予防処置】【歯科保健指導】【歯科診療補助】の三大業務を行っています。

患者さんとコミュニケーションを図りながら、健康づくりのサポートを行います。
また、歯科医師のサポートも行うため、患者さんと歯科医師のコミュニケーションを円滑に支えることも、大切な仕事となります。

患者さんの中でも、治療が不安・緊張している方の気持ちを和らげたり、不安なことも会話の中から聞き出したりすることにより、一人一人の患者さんに寄り添った治療ができる手助けをしています。

そのため、歯科衛生士は人と関わることが好きな方・コミュニケーションを取ることが得意な方に向いている仕事です。

歯科技工士の仕事の流れは?

歯科技工士の仕事は、歯科医院から患者さんの歯型を受け取るところから、スタートします。
その患者さんの歯型を基に、石膏を使い、口の中の模型を作り、入れ歯や被せ物を作ります。

出来上がった技工物は、歯科医院へ送られるため、患者さんと対面して仕事をすることは少なく、患者さんの口の中の模型を使って歯を作っていくことが歯科技工士の主な仕事です。

求められる技術は高度化・効率化!

しかし医療は、国で金額が設定されている「保険治療」と、歯科医院が独自に値段を決めてもよい「自由診療」の2つがあります。
近年では、「自由診療」の比率が上がりつつあります。
歯科技工士が作る、歯科技工物に対しても、「噛めればいい」から「良く噛めて、長持ちするもの」「見た目も美しく」などといった、歯の審美性や、全身の健康を求める方向へ変わってきています。

「自由診療」には、健康的で美しい口元を作ることを目的にした審美歯科や、矯正歯科、インプラント治療など、さまざまありますが、医療技術の向上に伴い、歯科技工士もより高度な精密技工技術と、審美感覚が求められてきています。

しかし、歯科技工士の人数は減少…現象の実態は?

(※厚生労働省「歯科技工士の業務のあり方等に関する検討について 第1回歯科技工士の業務のあり方等に関する検討会」より)

歯科技工士の人数は、免許登録者が増えているにも関わらず業務従事者がゆるやかに減少傾向にあることが上記の表で分かると思います。特に【20代~40代】の若い世代の歯科技工士は、圧倒的に減少傾向にあるそうです。(※)

45歳未満の年齢も減少している一方で、45歳以上の年齢の技工士が増えているのが特徴です。
人数が減っていない特徴として、30年前に若者だった人達が、現役で働いているからであり、新たに歯科技工士になる人は大きく減少しています。

(※厚生労働省「歯科技工士に関する最近の状況等 第7回歯科技工士の養成・確保に関する検討会」より)

若い世代・新たに歯科技工士になる人が、減少している理由

現在は減少傾向である、歯科技工士の数ですが、30年程前までは人気の職業でしたが、前述にも記載したとおり、現在は減少傾向です。
では、なぜ減少しているのか?その理由を見ていきましょう。

①少子化の影響
…若い世代の人数が増えることは、今の時点で当面見込めないため、新たに歯科技工士を志望する人材の数も、少子化の影響により必然的に減っていくと言えます。

②歯科技工士養成施設の減少
…1991年には72校あった歯科技工士養成施設は、現在は47校にまで減ってしまいました。
ピーク時の3分の2まで減少しています。
それに伴い、入学者数も約900人程と、減少しています。(※)

(※厚生労働省「歯科技工士に関する最近の状況等 第7回歯科技工士の養成・確保に関する検討会」より)

機械化が進んでいる

30年前の歯科技工士の業務は、ほとんどが手作業で行われていました。
例えば、入れ歯やクラウン(被せ物)などの製作は、型取りから最終的な仕上げまで、全て手作業で行われていました。
このため、当時の歯科技工士の方たちは、長時間労働が常態化しており、労働環境は厳しいものでした。

昔の手作業の技術も素晴らしいものでしたが、現在ではデジタル技術の導入により、【CAD/CAMシステム】や、【3Dプリンター】を使用して、効率化が進んでいます。
機械化が進んだことにより、労働時間の短縮や作業の精度向上が図られ、労働環境も大きく改善されています。

現在、男性の歯科衛生士が増えている傾向にあります!

おそらくこの記事を読んでいる方は男性の方が多いのではないでしょうか?

現在、職業によって性別を区別しないジェンダーレスの文化が広がっている影響もあり、歯科衛生士を目指す男性学生も増えており、HOSP!にも入学者がおります。地元紙では、「男性歯科衛生士」として、一面で特集も頂きました!

歯科医院には、歯科技工士の作業に代わるアイテムを導入している!

現在、全国的の歯科医院では、歯科技工士の作業を補完する機械として、前述にも記載した【歯科用3Dプリンター】や【CAD/CAMシステム】を導入している医院も見られます。

なぜ導入しているのか?というと、これらの機械は、歯の修復物を自動的に成形することができ、即日施術可能な点でメリットがあるからです。

3Dプリンターは、CTスキャンで解析したデータを基に、歯の形状を精密に再現します。
また、CAD/CAMシステムは、デジタルデザインと製造を組み合わせた技術で、歯科技工士による手作業を大幅に減らすことができます。

ただし、精度や審美性の面では、まだ歯科技工士の手作業に勝ることは難しいとされています。
そのため、『機械と人の組み合わせ』が、効果的な場合も多いです。

CADが無くても問題ない?!【歯科用CADの代わり!『口腔内スキャナー』】

「歯科用3Dプリンター」「CAD/CAM」については、前述で説明しましたが、みなさん【口腔内スキャナー】はご存知でしょうか?

口腔内スキャナーは、【歯科用CADの代わり】として、非常に有用なツールとして注目されています。

カメラで撮影した口腔内の状態を、立体画像としてモニターに反映できる医療機器です。
口腔内の立体画像は、通常の画像では見ることができない角度からも観察することができます。
また、拡大することでよく観察したい箇所をピンポイントで見ることも可能です。

実際の歯科現場では、矯正やインプラント、歯の状態の確認など幅広いシーンで活躍しています。

口腔内スキャナーの特徴としては、主に以下の2つが挙げられます。

①口腔内の情報をスピーディーにデジタル化できる
…撮影された口腔内の譲歩をスピーディーにデジタル化し、治療方針を決め、治療を開始するまでの一連の工程をより簡単に、かつ短時間でこなすことができます。

②CTやレントゲンのように放射線を使用しない
…口腔内スキャナーは、レントゲンやCTといった検査のように放射線を使用しません。
そのため、体への負担がなく、安心して治療を受けることができます。
また、小型カメラで口腔内を撮影しモニターに映し出すだけの手間が、最小限に抑えられるため業務の効率化にも繋がります。

口腔内スキャナーには、様々な機種がありますが、多くの機種が
●スキャン速度が非常に速く、スムーズに操作ができる
●撮像のスムーズさも高評価
●軽量で扱いやすい

など、多くの機種の精度が高いことも特徴といえます。

口腔内スキャナーの導入には、型取り時間の短縮や患者様の不快感の軽減、治療制度の向上など多くのメリットが挙げられています。

HOSP!にも、【最新!口腔内スキャナー】を導入!

前述で説明した『口腔内スキャナー』ですが、導入している専門学校は、全国的にまだ珍しいようです。

しかし…!、HOSP!に【最新の口腔内スキャナー】を導入しています✨

導入することにより、学生が実際の臨床現場で役立つスキルを身に付けることができ、将来の就職にも有利です!

【HOSP!にも導入している、”口腔内スキャナー”】

↓歯の模型は、実際の患者様の「上顎・下顎」と見立てて使用します。
口の中を小型カメラでスキャンし、デジタル化します。(右手に持っているのが、小型カメラで、歯をスキャンしていきます)

↓実際に、口腔内スキャナーを使用しているところです🦷

歯型を画面上で立体的に見ることはもちろん、拡大・口の内側からも見ることができます。

例えば、奥歯の裏側の磨いているつもりなのに、実は磨けていないところでも、歯が手前に倒れ込んでいることが分かれば、歯ブラシがしやすくなっていきます。

この「口腔内スキャナー」、どのように使用するのかというと、矯正をはじめたいという人いは、自分の歯並びをAIで出し、並んだあとの歯並びを比較して、もう少し引っ込めたいところなどをバーチャルで検討していきます。


他にも、インプラントの時や、被せ物の型取りにも使用したり、むし歯も映すことができたり、様々な治療で役立つアイテムとなります!

HOSP!の口腔内スキャナーは、オープンキャンパス時に実際に見てみることが可能です!!
興味がある方、ぜひオープンキャンパスに参加してみてくださいね😉🌟

歯科技工士は減少傾向…。だけど『歯科衛生士』は上昇傾向!

今回の、『歯科技工士の数は、減少傾向であること・減少傾向の理由』を説明させていただきましたが、【歯科衛生士】はどうでしょうか?

“歯科衛生士”という職業は、近年人気上昇中の職業であり、今注目の医療系国家資格です。

国家資格により、安定した収入を得て長く働き続けることができること、仕事とプライベートも両立できること、福利厚生が充実している職場が多いことから、人気が上昇していると言えます。

何より【国家資格】なので、一度取得すれば、ずっと歯科衛生士として働くことができます。

高齢化が進む日本ですが、歯や口腔内の健康について注目が集まっており、歯科衛生士の需要は、今後これまでに以上に高まっていくと考えられます。
歯科衛生士の仕事は専門性が高い他に、人とのコミュニケーションを前提にしているため、AIが進化した場合・機械化が進んだ場合も仕事を奪われる心配がありません。
そのため、歯科衛生士の仕事は将来性が高いと言えます。

人気上昇中の歯科衛生士 ―。もちろん【求人】の数も多い!!

全国的に見た歯科衛生士の求人倍率は、2014年には17.8倍でしたが、年々上昇しており、2023年度には、23.3倍(歯科衛生士養成校卒業の就職者6,371人/求人人数148,288)になりました(※)

(※)一般財団法人口腔保健協会「歯科衛生士教育に関する現状調査の報告」より

HOSP!は、求人数も多い!!

2023年度、HOSP!歯科衛生士学科の求人数は…

●県内求人…160件
●県外求人…514件
●合計………674件

こちらの2023年度の件数ですが、学生1人あたり15件以上の求人をいただきました。

これほど、歯科衛生士が求められているということですね😌

HOSP!卒業生は、新潟県内をはじめとして、県外でも歯科衛生士として活躍しています!

『歯科衛生士』と『歯科技工士』、Wライセンスって必要?

歯科衛生士と歯科技工士、どちらの職種も【国家資格】が必要となることを冒頭で説明しましたが、
そもそも【Wライセンス】は必要なのでしょうか?

ハッキリお答えすると、特にWライセンスは必要ありません。

歯科衛生士を目指している方にとって、「歯科技工士」の資格は特に必要ありませんし、反対に歯科技工士を目指している方にとって、「歯科衛生士」の資格は特に必要ありません。

どちらかの資格を保持していないからといって、就職に影響が出る訳でもありません。
(実際に、HOSP!ではどちらの資格も必要という求人は、開校まで1件も来ておりません!)

ですので、『どちらも持っていないと、就職できないかも…』ということはないので、安心してください😌

まとめ

今回は、「歯科技工士」と「歯科衛生士」の業務内容についてや、「歯科技工士」が減少していること、減少傾向ではありますが技工士の代わりとなる有効なツール、そして【人気上昇中の歯科衛生士】の求人数などをご紹介いたしました。

どちらの仕事も、患者様の診断・治療を行う歯科医師の指示のもとに異なる仕事を行いますので、職業適性であったり業務範囲は大きく異なってきます。

しかし、「歯科衛生士」「歯科技工士」どちらも患者様のために歯科医療を行う一つのチームです。
私たちのお口の健康は、すべての健康の入口です。

国家資格を取得することにより、生涯安定した働き方ができることも魅力の一つです。
それぞれの職種の特徴、将来性を見据えたうえで、ご自身の適性にあった職種をぜひ見つけてみてくださいね!

注目の医療系国家資格『歯科衛生士』を目指せる専門学校、HOSP!

新潟県内で、歯科衛生士を目指せる専門学校は、ココHOSP!だけ!!
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